同人詩誌 『黎明』 ~創設にあたって

 

『夜明け前。意味があったと知ったように闇からクリスタルに大事に包まれたオーロラが仲間を連れて飛躍の翼を魅せつける。
何も出来ず。何をするべきかも分からず。想像だけを頼りに、創造への入り口を直感だけを頼りに、その入り口で佇みを繰り返し震えていた。恐れながら・・だが、入り口は

いつまでも消えなかった。誇らしげな夜明け前を瞳に受け取り、決意する。
歓喜を叫ぶ大地の鼓動。萌える緑は禊の空気を鮮明に現す。鳥達は囀る音階を高め、

敬意をもって挨拶を交わす。飛躍の鑑を翼に変え。

恐れる人間のちっぽけな思い込みを知る。』

 

 『黎明』は革命です。革命の語源は「回転」地動説の論文「天球の回転」から由来する。すなわち、本当の自分に還るということ。故、革命は十分手に掴めるということ。

黎明と共に。
 私達は、言葉を愛しています。それは突き動かされる衝動です。どうしようもなく愛している。言葉を。綴るのを。言葉の煌びやかな魔法と芸術を描くことに使命感すら感じています。
 そう、詩はいつの間にか【描いている】ものだと思います。素敵な贈り物を受け取ったのならば、描き続くにつれて様々な想いが生まれてくることでしょう。されど、行き止まりはありません。言葉は物質のようで、どんな空気に晒されても届くからです。果てし無く何処までも透明です。
 私達の敬愛する詩人たちも、きっと行き止まりを越えて、限界を超えてまでも、私達に諭したかった想いがあると思います。そう感じます。運命の悪戯か真摯望んだ運命か、

私達はその想いを受け取り、また自由に放って飛んでゆきたい。

 詩に限らず、何でもそうですが、原石を感じるのならば磨けば良いのです。
ありがたいことに人間には緩やかな時間というものがあります。それは動植物よりもさらに長い、【磨きをかける時間】というもう一つの贈り物です。そして人は誰しも、自分を磨かずにはいられない胸弾む想い、未知へ飛び出したくなる好奇心、幸せをたくさん感じたいという想いを馳せているはずなのです。

 どの分野、どの職業であれ、人は真髄を見極められるのです。幼ないながら私達は詩を

通して微かに、されど濃く、それを伝えたいと想っております。

 「黎明」はこの一番心地よいタイミングで夜明けを迎えます。

  不動の覚悟と精神をもって。

 

 

                2013年10月10日  主宰 ヒヤシンス

                         編集者 朝焼彩茜色